ルシフェルの秘話

「ルシフェル、この前イリーシャと一緒にいたわね?」
「……」
沈黙の肯定。
ルシフェルの息の使い方に、目の前の少女は顔を真っ赤に染めた。
「信じられない…っ!!」
「…はいはい」
ルシフェルは眉間に皺を寄せると、面倒臭そうに頭をかく。もう耳にタコができたというようなそんな表情。
「…馬鹿…っ!」

見事な平手打ちだった。
ルシフェルは左頬を押えながら、裏路地をとぼとぼと歩く。
大通りを歩いては、酷く目立ってしまうし、彼をよく思っていない男から馬鹿にされるのも何か言葉を吐かれるのもうんざりだった。だから人通りの少ない裏路地を通って、自宅に戻ろうと思っていた。
そんな矢先、彼は自分の足を止める。
(…なんだこれ)
目の前にうずくまるように倒れているのは間違いなく人間のようだ。
長い癖毛は薄い空のような色で、派手な色の布で織られた衣服を着ている。
「…行き倒れかよ」
(まぁ、面倒臭そうだし、関わらないのが吉…)
できるだけその人物を目に留めないようにしながら、ルシフェルは横を通り抜けようとした。
しかし、その瞬間彼はバランスを崩す。
なんとその行き倒れの人間が、右手を伸ばし、ルシフェルの足首をいきなり掴んだのだ。
反応し切れなかったルシフェルは見事に体勢を崩し、固いレンガの地面へと顔面を激突する。
「あ…、あのなぁ…〜〜〜っ」
鼻を押えながら、ルシフェルは上半身を起こした。
そして言葉を飲み込む。
一瞬、女かと思った。
やけに美しいその顔立ちは下手な女よりかは美人かもしれない。
しかし、男だ。
ルシフェルは直感的にそう悟って、本能で理解した。
「…俺になんか用か?悪いけど、お前を助けてやれるほど、俺は裕福じゃないぜ?」
「………っ」
「…あ?」
「…お腹、空いた〜…」
「…だからな…」
ルシフェルは間延びした男の言葉に思いっきり脱力し、肩を落とす。
逃げようとも思えば、出来たかもしれない。
ぎゅっと掴まれた細い手首を振り払って走れば、きっと彼は追ってはこれない。
…しかし、ルシフェルは深い溜息とともに彼を助けてやる事を決心した。
「来いよ。この先にレストランがある。…奢ってやるよ。その後で、説教な。この美形な俺の顔に傷つけやがって」
「……」
ルシフェルの言葉に男は顔をあげて、ほんの一瞬だけ小さく微笑んだ。
これが彼の一番素直な笑顔だったかもしれない…。


―――バサバサ…っ
「や〜だ〜!…可愛いカードたちにやつあたりしないで〜…」
「うるせぇ!カマっ!!」
「ひど〜い〜…っ」
ルシフェルは苛立ちを押えられずにがんっと黒い柱を蹴った。
「だから〜、いったじゃない〜。女難の相がでてる〜って。だから、一日で三人とデートなんてするもんじゃないのに〜」
「あぁっ!はいはい!俺が悪かったよ!…このクソ占い師!」
そして荒々しく用意されたルシフェル用の椅子に座る。
「どうしたの〜、ルシちゃん〜」
「……なんかどうでもよくなったんだ。…なんか、どうでも…」
「ルシちゃんらしくないわねぇ〜。いつでも自信家、女の子は皆自分のモノ、でしょ〜?」
「…レイ、お前…俺のこと多大に勘違いしてないか?」
緩やかにころころと笑う男の顔を眺めながら、ルシフェルは深い溜息を吐いた。
「あーぁ。一飯の恩も忘れやがって」
「…忘れてないよ」
珍しく、きっぱりとレイが続けた。
「ルシちゃんが…相当な自信家でプレイボーイのルシちゃんに出会わなければ、私は本当に死んでたから」
「…レイ…」
「…ねぇ、ルシちゃん…。いいコト、教えてあげるv…明後日の明朝、町外れの森を散策してみなさいな」
「…あ?なんで…」
「…ふふ、内緒♪…いい拾い物をするかもよ〜?」
レイはふっと表情を和らげた。
「あの時、私を拾ったみたいに」

ルシフェル秘話でした♪
いかがだったでしょうか…?ドキドキ☆レイ様からませてみてます♪
というか実際、レイ様と接点あるのはルシフェルだけですしね!(笑)
リリスに出会う二日前のお話…v
実はレイ様が…という驚愕(そうか?)話だったのです!!(ぉ)
楽しんでいただけたのであれば、幸いです☆
コルチェとルシフェルはやはり闇黒天使の始まりのキャラですからねv






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