シャドウの秘話


――やはり止めておくべきだった。

間違いだったのだ。

あの時、兄を……止めていれば


「兄さん……」

シャドウの呟きは灰色の空に溶けるかのごとく、誰の耳に拾われることもなかった。

脳裏に過るのは、いつも明るい兄の顔だけ。

シャドウは何を吐き出したらいいのか分からず、空をその手に握る大きな鎌で切り裂いた。

刹那、時空の割れ目とでもいえばいいのか。
空と空の間に隙間が生まれる。
淀んだ空気を纏う、不可思議な空間が。

「今……時の精霊はここには留守か。ならば」

迷わず彼は飛び込んだ。
融け込むような、そんな感覚がシャドウを襲う。

だがそれも一瞬のことで、すぐに彼は元居た空に浮いていた。

カラスのそれのような黒い翼をゆっくりと羽ばたかせながら、時空の割れ目に飛び込むときにとじた瞼をゆっくりと上げる。

「……兄さんは自分で死に飛び込んだのか。……彼女を守るために」

兄の記憶の断片を時空の狭間で拾い集めた。
そして知った。

兄が死を選んだのは一人の女性のためだと。

「……レイカ……・ギリア」

紡がれた名はどこか朧で
感情が何もこもっていない音色は抑揚がなくどことなく不気味だった。

いやもし感情を込めているのだとしたら、それは ――恨みのような黒い感情――


「……」

ため息を吐く。
芽生えていた闇の感情は、シャドウの中で巡って消えた。

なぜなら、彼女の命は消えかかっているから。

残り僅かな灯火を消すほど、シャドウは鬼ではなかった。

だけれど――

「……兄さんが愛した人……兄さんが命を賭して守った人……」

それなのに――


「許さない。消えることは。……兄さんが愛した人だから」

その生命を賭けたのだから――


そしてシャドウは禁じ手を思いつく。
兄が愛した女性の運命を許さないこと。
そして……もう一度この世で兄に笑ってもらうこと。

――そう、死者蘇生を――


シャドウ秘話でした。
久方ぶりに文章を紡いだので、なんだか違和感だらけですが。。

少しでも再びアバンチュールの世界に浸っていただければ幸いです。
そしてシャドウくんをこれからもよろしくお願い致しますー

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