ユアンの秘話

――太陽の下を走り回るのは得意だった。
僕は馬を操るのも得意だったし、どんな楽器だって弾きこなせた。

僕が走り回っていると、母様が僕の名前を玄関から大きな声で呼ぶんだ。
父様も狩りから帰ってきて、付いて行った兄様と獲物の数や大きさを競う。
姉様は長い三つ編みを揺らしながら、母様の料理の仕度を手伝っていた。
笑い声が絶えなくて…。
僕はいつも皆に甘えていた。

夕食を食べ終わったら、満天の星が輝く空の下、僕が楽器を奏でる。
父様も一緒に伴奏をしてくれた。
兄様が僕たちの一族に伝わる歌を唄って、姉様が踊る。
くるくると輪を描いていると、回りの家の皆もやってくるんだ。
族長も手拍子をしてくれて、賑やかになってくると母様はすごく優しい笑顔を浮かべて幸せそうにしていた。
そんな皆が好きだった。
そうやって過ごすのがいつまでも続くと思っていた。

…それは叶わない夢だったの?



「…草笛を…知っているか?」
同じく精霊騎士であるフォードが僕にそっと一枚の葉っぱを取り出してくれた。
何?って顔で見上げていると、大きな手で僕の頭をくしゃくしゃと撫でてくれる。
それから優しい音色を奏でてくれた。
急に家族を思い出して泣いてしまったのを覚えている。
すごくすごく温かくて、ちょっと大きくて恐いと思っていたフォードがすごく優しい人に見えた。
父様みたいだなってそう純粋に思ったんだ。
「…奏でるときに家族を思い出して奏でてみればいい。
そうすればこの音色がお前の心を家族に届けてくれるだろう」
「…本当に?」
「あぁ」
穏やかに微笑んでくれたフォードは嘘を吐くような様子じゃなかった。
思わず僕も笑顔になってお礼を返す。
精霊騎士になって不安なことばかりだった。
情けないことに何度もホームシックになってしまって、早くみんなの元へ帰りたかった。
だけどそれでも頑張れたのは…
僕に良くしてくれる人たちがいたから。
「フォード、ありがとう!」
「…いや」
少し照れたように笑ったフォードがなんだか今度は可愛かった。
後から詳しく聞いたら、家族だけじゃなくて、想いを乗せて奏でれば…その思いの先にいる大切な人に届くらしい。
だから今日は僕の家族の為に吹いて。
そして明日はシャオのお師匠様の為に吹くんだ。
フォードから貰った優しさを…そっと他の誰かにもおすそ分けしたかったから。


…勿論、大切な君にも。


――家族の笑顔が眩しすぎたのか、家族の夢を見たはずなのにみんなの顔が思い出せなくなっていく。
悲しくて切なくて。
そんな時は草笛を奏でるんだよ。


――君にも届くのかな。

――僕の想い。

――…僕は君に一生懸命恋してる。

ユアンくんの秘話でしたー。
うひゃひゃ)ぇ)
えっと。
草笛の話です。そしてあの例のご家族の話(ぉぉーい)
…ぐふ、これを読んだ後にゲームでユアンくんストーリーを進めると…、泣けたらいいなと(ぉ)
げふげふ。
ご、ごめんよ、ユアンくん。
私が不幸にさせる話が好きなばかりに…っ(土下座

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