ディースの秘話


緑が鮮やかな森に火の手が上がり、程無くして事が終結に向かったことが判った。
指揮を執っていたディースは片手を高々と振りかざし、大声で勝利を語る。
兵士達はそれに応えるように、鼓舞された士気を高め、残党に止めを刺すのだった。


『………』


どこからか笛の音色が聞こえてきていた。
木々に移っていく火も消化し、全てが片付いた頃。
荒々しい景色とは不釣合いな笛の音。
魔性の香りがすると、ディースは思った。

しかし、その音色を聞いてしまった自分は…どうしてもその元へ向かうしかなかった。
身体はいうことを聞かず、抗うことの出来ないままディースは一人、ふらりとそこへ向かう。

それが兵士達の見た、最後のディースの姿だった。




――お兄様、早く帰ってきて?

――お兄様、どうして戻ってきてくれないの…っ

――お兄様が死んだなんて、信じられない!…また、また遊んでくれると約束までしていたのに!!




幼い女の子の声が脳裏を横切る。
笛の主は嘲笑した笑みで、ディースだったものの顎に手を添えた。
「半年振りだったか…。ふふん、あの時の事は忘れなかったよ」
綺麗な声で話す少年の姿は異様だった。
人間ではない。
背中から白い羽根を生やし、肌は繊細な鱗で覆われている。
『セリ』それが彼の名前だ。
「…お前に仕返しを考えていてね。呼び出すのには苦労したけど」
セリは表情を変えない人形のような男に仮面を被せてやる。
「今日からお前は僕の大事な手駒だ。…僕に逆らうことは二度とさせない」

「そして…」

「…あの方の復讐に付き合ってもらおうか。僕はどうだっていいけど、お前を苛めることができるのならば…。
僕が味わった精神的な嫌がらせを…施してやるよ」



――鴉が鳴いた。
幾つもの糸が青年の指に絡まっていく。
深い森の中に白い翼の少年と、仮面をつけた無表情な男の姿が暫く在った。
だが、誰もそんなことは知らなかっただろう。
しかしもう既に…物語の幕は開いていたのだ。
ディース兄のお話でしたー!(いぇい)
さてはて。
ディースお兄ちゃんが行方不明になる頃のお話です。
両親毒殺事件とすっごく迷ったんですけどね?!(ぉぃ)
ともかく、ほんの少しでも物語の片鱗に触れていただいて…楽しんでいただければそれだけで幸せですv如月でした!

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