カインの秘話

――必死で。

――必死で叫んだつもりだった。

――『行かないで!』

――『行かないで、父さん!!』…と。




布団から飛び起きて、顔を洗いに洗面所へ向かう。
それからカインは母親の部屋に入り、礼儀正しく床に伏している母親に朝の挨拶を交わした。
彼女の為に家事も頑張る。

騎士団の仕事は朝早かったが、それでも間に合うようにもっと早く目覚めた。
母親の為に料理をし、きちんと朝食と昼食を分けては、彼女にわかりやすい場所に置いていく。
日課になれば難しいことはなかった。

「カイン、あまりムリをしないでね…。あの人が送ってくれた貯金もあるんだし」

母親が申し訳無さそうに優しく微笑む。
それが余計にカインの胸中を苦しめるだなんて彼女は気づかなかっただろう。
母親が気に留めないように取り繕ってから、カインはりんごを剥いた。

「母さんが自分を心配することはないのですよ。
自分はあの人のお金を使用することはできません。母さんの為に仕方がなく、薬代としていただいているだけです。
自分の生活費や遊ぶ金は…自分が稼ぎますよ」

「…カイン」

小さな溜息が母親から漏れた。
そっと、彼女の中で一人の男性の面影が映る。

――そういえば、あの人も頑固だった…。

頑なな心のつくりは、どうも父子二代同じのようだ。
だけど、ちっともカインは気づかないだろう。
似るものかと、必死で自分の道を突き進んでいるのが判るし、酷く嫌悪しているのだって…感じ取ることぐらいは病に倒れていても判るものだから。



冬が来た。
寒い凍えるような日々。
母親はゆっくりと衰弱し、そのまま安らかに息を引き取った。
カインはその晩だけ、一人泣いていた。
小さく震える肩は誰の目にも留めることはなかった。

最後まで…あの人は帰ってこなかった。

彼の頭の中にはそれしかなかっただろう。



――行かないで、と泣き叫んでも。
父親は振り向くことすらせず、自分達を捨てた。



「カイン、お前を騎士団長に任命すると同時に…レオン陛下からのご命令だ。
闇の精霊騎士として、お前を再度迎えると、な」
いつの間にか父親代わりに見てしまっていた、騎士団長が笑ってそう言った。
青い髪が今は眩しくて、カインは目を細める。
アレックスはそれが余計に面白かったのか、『頑張れよ』と肩を叩いた。


「…自分が役に立つのなら」

カインは固く閉ざした想いを抱きながら、そっと国王の前に深々と膝をつくのだった。
うーん。すみません。色々場面転換が入っているお話ですね(苦笑)
あわわわ、意味がわからない仕様になっていれば申し訳ございません(土下座)
ウフフ、なんかもう。
うん。
すみませんね。もっと修行しますよー。

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