ミトの秘話

――散り逝くものは儚くて。
――儚く去るものは美しく。
――美しく瞬くものは散り逝く宿命。
――さぁ、かの姫に嘆きの言葉を。
――さぁ、泡と消え往く女に哀れみを。

―――踊り狂え、散華の如く。謳い騒げ、生死の境で…!!



人魚が謡う歌を美しいとは思わない。
そう感じるのはきっと彼が人魚のはしくれだからだろうか。
彼はアクアマーメイドという水の精霊だった。
それは珍しくもない精霊で、特に秀でた能力を持っているわけでもない。


(僕はどうだっていい存在なんだ…)

ミトという名を仲間たちから貰ったとき、中途半端な存在であるという意味だと、彼は思っていた。
彼は極度に自分が嫌いだったし。
世界で一番劣っていると思い込んでいる。

何故そうなってしまったのか、いつからそう考えるようになってしまったのか…。
誰にもわからなかった。
ただ彼は生まれたときから、それが当たり前であるかのように。
自信というものを欠落させていた。

いつまでも…いつまでも波間を彷徨って。
何をするわけでもなく。
何かに縋るわけでもなく。

(…生きているのが、辛い)

目的も無くこの世を彷徨う小さな魂にこの世界は広すぎたのかもしれない。
それぞれが目的や生きるという喜びを見出さない限り、同じような彼は生まれていくのだろう。

(…僕は何のために生きているんだろう?…僕は…)

永遠と繰り返される自問自答。
呆れる周囲を気にせず、いや、気にすることもできないまま…彼は続けていた。

彼が死ぬまでずっと。
その無意味な生を終えるまでずっと繰り返されるであろう虚しい独り言は突如終わりを告げる。

『私の呼び声に答えて――っ!!』

凛としたしっかりとして響きを持つ声。
ミトは何故だかわからなかったが、すごく焦った。
その強い魂の呼び声に酷く動揺して。
そしてひどく魅せられていた…。

(…僕を…)

「僕を呼んだのは…貴女ですか?」

そう呟いた言葉は虚しさの欠片も感じさせずに、少女の下へと届く…。

ミトくんの秘話ですね!
いかがでしょうか…?
意外と書いていて楽しかったです。特に人魚の歌。
歌を描くのは大好きなので(あいかわらずですが)
少し意味不明かもしれませんが、読んだ人それぞれに何か別の違う何かが感じていただければ幸いですね。
本当にいつも読んでくださってありがとうございます!

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