リリアトスの秘話

「どこに行っていたんだ!ピア!!」
大きな怒鳴り声が――普段冷静なはずの――リリアトスの口から放たれた。
その様子を沈んだような表情で妹であるピアは眺める。
薄っすらと大きな瞳には涙のフィルターがかかっている気がした。
もうそろそろダムが壊れてしまう。
だけど、彼女は気丈にもきゅっと口を噤んで、リリアトスから視線を外しはしなかった。

「…お兄様だって…」

ぽそりと呟く。
リリアトスは意外な妹の言葉に言葉を止めた。

「…お兄様だって、外に抜け出したじゃないですかっ!!」
可憐な音色だったが、その言葉に幼さはなく、少しばかり大人びた口調。
ぎくりと身を固めて、リリアトスは大きく目を見開く。

(たしかに…その通り―)

ピアは堪えていた涙が溢れ出てきそうになったのを気づくと、慌てて兄の前から走り去っていった。
決して兄には涙をみせないつもりらしい。
まだ子供のはずなのに…。
彼女は本当に気丈だった。


リリアトスはふぅっと軽く溜息を吐き出しながら、廊下の冷たい壁に身を倒す。
ひんやりとした感触が絹の布地を通して、背中に伝わってきた。
だけど、ピアの真っ直ぐな視線の方が…冷たかった。
そう純粋に感じる。


――その夜、彼は妹の部屋の前に立っていた。
大きく深呼吸を繰り返して、躊躇しながらも勇気を出す。
何度空しく宙を拳が舞っただろう。
何度目かの正直で、リリアトスはやっと扉をノックすることが出来た。
「…なんですの?」
妹は扉の向こうにいるのが兄であることを知っていたかのように、冷静な声を返してくる。
それに苦笑しながらリリアトスは胸を撫で下ろした。
少なくとも…会話はしてくれるらしい。

「ピアと久しぶりに話したくて。…入ってもいいかい?」
「…かまいませんわ」
どうぞ、入ってというやはり幼さを残さない言葉使いだった。
金色の柔らかい髪が小さなランプの光に照らされていた。
リリアトスが似ていると感じるのはこの髪の色だけ。
だからかもしれない。
なんだか誇らしくて、そしてそれが嬉しかった。

「…怒鳴ったりしてごめんな」

小さく申し訳なさそうに呟いた言葉に、ピアは優しく笑い返してくれる。
本当は彼女だって兄を慕っていたし、慕っていたからこそ、兄には負けないと態度で示していたのだ。

「私、今日…町で素敵な女性に会いました」

ピアは兄を許す代わりに、街であった出来事を話し始める。
不思議とリリアトスにとってその話は退屈なものではなかった。
彼女が素敵だったという優しい女性の話が、とても興味深くて。

そして城の外の生活に憧れるあたりが…やはり兄弟なのだと理解する。

「最後に…お兄様の変装はあまりにも不出来です」
「…ピアはいつから…そんなにもきつい言い方をするようになったんだろうね」
「…お兄様のせいですわ。きっと」

――素直に言い合えるのが、きっと家族だと思うから。

リリアトスさまですよー!
というわけで!!ピアちゃんとの会話ですねv実は妹ちゃんは結構好きです。
ゲーム中迷子になっている彼女ですが(笑)
あの歳であの礼儀正しさ!!本当にお姫様って感じです(うんうん)

そうそう、リリアトス氏は妹大好きなおにいちゃんだったのですが、ピアちゃんが大きくなるにつれて、あまり会話ができなくなっていっています。
ピアちゃんがしっかりモノだからですね(爆)参ったなーって思ってるんですよ、はい。

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