ジオの秘話

――俺の持っていない強さを、あの人は――カイン様は持っていると思った。




冬。
雪が積もったあの忘れもしない冬の日。

――両親が死んだ。


妹のカナンは泣き崩れて、三日間ぐらい何も口にしなかった。
俺は心配で仕方がなくて、それにくわえて我慢していた何かもあって、これからという日々が不安で仕方がなかった。

妹を守るためにも、しっかりとした兄でいるためにも。

俺は強くならなきゃいけない。
そう心に決めたんだ。


春。
俺は聖騎士団に入団する。
そこで初めてカイン様に会った。
まだ若いのに聖騎士団の騎士隊長に選ばれ、冷静な判断を下す人。
…憧れだった。

いつも真面目に仕事に取り組む姿。
不平不満をもらさず、淡々と任務をクリアしていく姿は、俺だけではなくて皆感心していたはずだ。
俺はもう心から尊敬していた。

だからいつでも練習に励み、カイン様を見習って誰よりも努力をする。
俺が決めたことだし、それはきっと強さになるはずだと確信していたのだ。


まさか精霊騎士にまで選ばれ、カイン様ともっと深く会話ができるようになれるとは思わなかった。
だけど、そのおかげであの人の持つ、優しさにも気づけ…。
さらに憧れは増していくばかりだった。

――あの人になりたい。

ずっと、ずっと…。
俺の頭の中はそればっかりだった。




「ジオさん、頑張って…っ!!」
そんな俺に本当の強さをくれたのは…紛れもなく姫様。
アレックスさまが一体俺の何が気に入らなかったのかわからなかった。
だけど、それに気づかせてくれた人。
それが姫様――貴女です。

カイン様にだって、結構子供っぽい部分もある。
それに全く気づかなかったのは余裕がなかったから。
両親が死んだその瞬間に俺はもういっぱいいっぱいで。
実はカナンの方がずっと強く。
もっと早く吹っ切れていたんだ。
ずるずるずるずる、情けなく引っ張っていたのは俺だけで。
…今思うと、本当に恥ずかしい。

だけど。
貴女を欲しいと想うこの感情が。
自分という心を気づかせてくれた。
求めていたのはただの虚像。
本当の自分はもっと近くにいて、つかめる存在。

貴女に俺を好きになって欲しい。

そう想ったら全てが片付いていく。

――勇気を出して。前を向いて。…真っ直ぐに貴女の運命に向き合おう。
ジオくんの秘話です。
…が、何故かジオ語り口調に(ぇ)
あ、あれ?!
今までは第三者だった気がしないでもないですが(ぉぃ)
まぁ、いいですよ。うん。
彼の正直な気持ちをつづりたかったのです。
読んでいただければ幸いでしたー!

[★高収入が可能!WEBデザインのプロになってみない?! Click Here! 自宅で仕事がしたい人必見! Click Here!]
[ CGIレンタルサービス | 100MBの無料HPスペース | 検索エンジン登録代行サービス ]
[ 初心者でも安心なレンタルサーバー。50MBで250円から。CGI・SSI・PHPが使えます。 ]


FC2 キャッシング 出会い 無料アクセス解析