バンバンの秘話

『詩を歌おう。君が泣かないように。
君がこの声を聞ける間に。
ただ君の為に詩を歌おう。君が泣きやむように。
君が私を母だと想っている間に。
そうして、気づいておくれ。
君は私の息子であって、そうでないことを。
君は1人で生きていかなければいけない。
だって、君は1人だから。
孤独の闇とずっと立ち向かっていくために…。
私は君の為に詩を歌おう。
そうして、目の前にまでやってきている別れの為に…。
ただ今は…優しい詩を歌おう…』

――お母さんはずっと歌っていた。
あの別れの満月の夜まで、ずっとずっと気づかなかった。詩の意味はもっと遠い国になるのだと想っていた。
だけど、違った。バンバンはすっと無知だったと想う。
なんで気づかなかったんだろう。
お母さんはバンバンが生まれた時から、ずっと教えてくれたのに…。

―――バンバンは独りだって。

――――これからもずっと死ぬまでずっと…孤独であるって…。

半分欠けた月が青白い色を放ちながら、丁度バンバンの頭上に輝いていた。
あの光は太陽の光が反射していると誰かが教えてくれていた。
水面に映る月もまた、光を反射している。

そこにはバンバンの姿も映っていた。
人間とも、狼ともいえないその異様な姿は、見たものに恐怖を植え付けるだろう、
もしくはとても嫌な好奇心を。

バンバンは母親が歌っていた詩を口ずさむ。
勿論、狼の言葉だったが、まだ彼はそれを口にする事が出来た。
やがて、狼の言葉を忘れてしまう日がくるのだろうかと、大きな不安感を覚える。
詩の中にそれを匂わせる言葉が入っているためだ。
だから…
それだからこそ、バンバンは不安感に駆られ、毎夜詩を口ずさむ。

『詩を歌おう。君が泣かないように。
君がこの声を聞ける間に。
ただ君の為に詩を歌おう。君が泣きやむように。
君が私を母だと想っている間に。
そうして、気づいておくれ。
君は私の息子であって、そうでないことを。
君は1人で生きていかなければいけない。
だって、君は1人だから。
孤独の闇とずっと立ち向かっていくために…。
私は君の為に詩を歌おう。
そうして、目の前にまでやってきている別れの為に…。
ただ今は…優しい詩を歌おう…』

――アオ――――ン…
誰かの遠吠えがバンバンの耳に届いた。
その声を聴いたら、何故だか悲しくて嬉しくて、バンバンはボロボロと涙を溢した。
いつまで聞こえてくるかは判らない。
あと数年?それともこれで最期か…。

バンバンはだんだん嗚咽の入った声で泣き始めた。

人と狼の言葉が入り混じって、不思議な音色を生み出す。
やがて、自分でも気づかない間に高い崖に上ると、遠吠えが聞こえた方角へ、一吠えした。

帰ってはこない。
返ってはこない…。

だけど、そう想って諦めた瞬間、姿は帰らずとも、声は返って来た。

バンバンはもう一度、暗闇の中孤独に震えながら、涙を溢した…。


狼の遠吠えっていうのは、どうやら群れからはぐれた一匹狼だけがしているみたいですよ。
どこかのテレビ番組で見ました。
何を伝えているのかというと、ちょっと記憶が曖昧ですが『僕はどうしたらいいですか?』だったかなー?(苦笑)
聞いたときに、そんなことを?!と驚いたのを覚えています。
そんなところを少しアイディアとしていただきました☆
バンバンくんは…人一倍孤独が嫌いだと想います。…それはもう知っているからなんでしょうね。
独りっきりの夜がどんなに寂しいかってことを…。






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