アバンチュール人気投票上位キャラ特典ドリーム小説
〜例えばこんな話もあったかもしんない『アオイ』編〜



―――おかしい…。
アオイは自分の額に触れながら、眉間にしわを寄せた。
―――僕としたことが…、体調管理ミスだなんて…。
長い溜息がアオイの口から漏れる。
身体中の火照りは明らかに微熱を象徴しているし、それに朝から頭痛がしていた。
妙な寒気も止まらなかったし、信じたくはないが風邪でもひいたのだろう。
―――ディース様にでも言って、今日ぐらいは午後から休ませて貰おう…
寝てしまったらきっと楽になるはずだ。
アオイはそう考えながら、書類の最後の一枚に判子を押すのだった。



いつも休みを取らずに働いているため、ディースはすぐに休みをくれた。
アオイの願い通り、午後を休息に当てさせてくれる。
―――少し、楽かな…。
自分の額を抑えながら、アオイは横になっていた。
大臣であるアオイは個室を持っていたし、そのおかげでゆっくりと休む事ができる。
淡い色のカーテンが行ったり来たりを繰り返しているのをぼんやりと眺めていると、自然と眠気が襲ってきた。
あまりにも平和だった。
柔らかい日差しが薄っすらとアオイの瞼にかかる。
日が少しずつ傾いてきた所為で、そのオレンジ色の日差しが少しだけ目に痛かった。
―――眩しい…。
そう思ってアオイは端に追いやっていたカーテンをしっかりと閉めようと上体を起こす。
「アオイくん…っ!」
「え…?」
その瞬間、ノックもせずに扉が開いて部屋の中にが入ってきた。
慌てるように彼女は扉を閉めて、アオイの元に駆け寄ってくる。
「の、ノックもせずにごめんなさい!…でも、アオイくんが熱で倒れたって聞いて」
―――あぁ…。
「心配で…」
フェードアウトしていくの声にアオイは胸が切ないぐらい締め付けられるような気がした。
―――なんて、愛しい女性なんだろう…
様、大袈裟ですよ。…僕はただ少し風邪をひいただけで」
―――だから
「大丈夫です」
自分でも本当に穏やかな笑みを浮かべている事に気づきながら、アオイは泣きそうな顔のの頭を撫でる。
はベッドに持たれかかるようにして、床に座り込んだ。
「…アオイくんの顔見たら、…安心しちゃった…」
は照れくさそうに笑うと、アオイの微笑に答えるように笑顔を返す。

大きく心臓が鳴った気がした。
アオイは自分の心臓の音がに聴こえているのではないかと、冷や冷やしながら誤魔化すように咳をつく。
「僕も…」
小さな呟きが思わず漏れてしまう。
「僕も…?」
が大きな瞳を余計に大きく開けながら、アオイの顔を覗き込んでいた。
―――僕も、貴女の顔が見れて安心しています…
「…いえ、何もありません」
アオイは慌てて被りを振る。
いつの間にか頭の端を襲う痛みは消えうせていた。
ただ、風邪の所為とは言い難い甘いような気だるい微熱がずっと続いている。
それは彼女がこの部屋の扉を開けた瞬間から…。

「そ、その、様は…これから何か用事とかはなかったのですか?」
自分の気持ちを誤魔化すようにアオイは咳き込みながら、そう言葉を紡いだ。
「…今日はもうアオイくんの看病だけかな?」
「え?!」
「ふふ」
の柔らかい唇から紡がれた言葉にアオイは驚いたように彼女をまじまじと見つめる。
「…たいした事はできないし、もしかしたら…お邪魔になっちゃうかもしれないんだけど…」
はさらに続けると、小さく舌を出した。
「…なんでもいってネv」
アオイの心音は既に外に漏れてしまっているのかもしれない。
それで、彼女はその音に気づいていてわざとそうやって笑っているのかもしれない。
アオイの頭の中でそんな言葉が繰り返された。
「あ、待っててね、今濡れタオル用意してくるから」
そんなアオイの表情には気づかずに、はさっと立ち上がると扉を開けて出て行った。
様…」
アオイは愛しげに名前を呟く。
―――僕はこんなにも弱っていたなんて…
胸の奥でアオイは誰かに大切なものをぎゅっと掴まれている気がする。
熱が身体中を駆け巡っていた。

「アオイくん、大丈夫…?」
ほどなくしてが部屋に戻ってくる。
先ほどとは違い、前のめりになって苦しそうにしているアオイには心配そうに声をかけた。
手に持っていた濡れタオルをアオイの額に軽く当ててあげる。
「…ありがとうございます」
その濡れタオルを受け取ろうとしたアオイの手がそっとの手と触れた。
たったそれだけだったが、はほんのりと頬を紅潮させる。
熱っぽいアオイの手。
そして熱を帯びたアオイの目は妙な雰囲気を漂わせていた。
様の手…、冷たいですね」
アオイは自分の赤い顔色を風邪の熱の所為にしながら、悪戯っぽい笑みで笑う。
「タオルより、こちらの方が気持ちいです」
「わ…」
は言葉を失っていた。
アオイが甘えるようにの手を自分の頬に触れさせたのだ。
優しく包むように大切にしながら、彼は微笑む。
も思わず微笑みを返した。
―――この方が好きだ…
アオイはぼんやりと考えながら、きゅっと唇の端を締める。
様…」
「…うん」
アオイに名前を呼ばれては素直に返事を返した。
それ以上は言葉は続かず、アオイの手がの頬に触れる。
穏やかな笑みとその沈黙が心地良かった。
様…」
もう一度アオイが名前を紡ぐ。
「…キスして…いいですか」
問いにはなっていない言葉だった。
が戸惑ったような目をしたが、アオイの手がの顎を引き寄せる。
そして丁度彼の体が覆い被さるようになった。
お互いの呼吸が間近で感じられて、唇と唇が触れそうになった瞬間…

「アオイ〜!あの本貸して♪…ありゃ?ちゃん?」

―――……。
いきなり扉が開いてルイが入ってきていた。
「…わわ、ルイくん…っ」
が慌てて立ち上がってアオイから離れる。
「え、何?僕お邪魔だった…?」
ルイはそう言いながら少し笑っていた。
―――か…
「勝手に人の部屋に入ってくるな…っ!!!!」
アオイの震えた手が枕を投げつけて、ルイの顔面に直撃する。

…この日、アオイの熱が高熱に変わり、一晩中下がらなかったのは言うまでもない…。


アオイくんバージョンですが、何故だか乙女ちっくに(ぉぃ)
まぁ、アオイくんの行動がいつもより大胆な感じになってしまったのは熱のせいだとか…?
何故かこちらにまでオチがついていますが、気にせず(マテ)
アバンチュールを描くと、もれなくオチがついてきます(遠い目)
感想はしつこいよーですが(笑)
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